北海道の広大な大地に紫色の絨毯を敷き詰めたような富良野のラベンダー畑は、夏の風物詩として多くの人々を魅了します。その美しさは広く知られていますが、観光シーズンともなると、人気のスポットは多くの人で賑わいを見せます 。しかし、富良野にはまだ、喧騒を離れてゆっくりとラベンダーの絶景を独り占めできる、秘密の花畑のような穴場スポットがいくつか存在します。本記事では、そんな特別な体験を求めるあなたのために、「富良野 ラベンダー 穴場」をキーワードに、とっておきの五つの隠れた名所をご紹介しましょう。
知られざる魅力:富良野で穴場のラベンダー畑を探す理由

混雑を避ける
最盛期を迎える7月中旬から8月上旬にかけて 、富良野のラベンダー畑は息をのむほど美しい紫色に染まります。特に有名なファーム富田 は、その壮観な景色を一目見ようと、国内外から多くの観光客が訪れ、大変な賑わいを見せることがあります。実際、混雑を避けるためには、午前中の早い時間に訪れることが推奨されています 。
穴場の良さ
しかし、人混みを避け、静かにその美しさを堪能したいと願うのは自然なことです。穴場のラベンダー畑であれば、まるで秘密の花畑で絶景を独り占めするような、特別な体験ができるでしょう。賑やかな観光地とは異なり、これらの場所では、ラベンダーの香りに包まれながら、より穏やかな時間を過ごし、心ゆくまで写真撮影を楽しむことができます。また、主要な観光地では味わえない、より自然に近い、ありのままの風景との出会いが期待できるでしょう。
富良野への旅:ラベンダーパラダイスへの道

富良野へは、札幌や東京といった主要都市から様々な交通手段でアクセスできます。
札幌から
電車
夏季期間(2024年は6月8日~9月23日の週末、6月15日~8月12日の毎日)には、札幌と富良野を結ぶJR「フラノラベンダーエクスプレス」が運行しており、約2時間で到着します。この列車はジャパンレールパスで利用可能です 。また、滝川経由のルートでも約2時間で富良野に到着でき、こちらもジャパンレールパスの利用が可能です 。運賃はパスなしの場合、約4,000円~5,000円です 。
バス
北海道中央バスが、札幌駅バスターミナルから富良野駅まで高速バスを運行しており、所要時間は約2時間半、運賃は約2,700円(片道)です 。座席予約は通常できません 。
車
札幌から富良野までは、道央自動車道を利用して約2時間(約113~145km)で到着します。高速道路料金がかかります 。札幌や富良野でレンタカーを借りることも可能です 。
タクシー/プライベート送迎
最も便利な方法ですが、費用は高くなります(約30,000円~40,000円) 。
東京から
飛行機
羽田空港(HND)または新千歳空港(CTS)まで約1時間半のフライトです 。旭川空港から富良野までは、シャトルバスで約1時間~1時間半です 。新千歳空港からは、電車またはバスで富良野まで約3時間~3時間半かかります 。飛行機と乗り換えを含めた総移動時間は、約5時間~8時間半です 。
電車
新幹線と在来線を乗り継いで、約10時間~12時間半かかり、運賃は約31,000円~32,000円です 。ジャパンレールパスが利用できます 。
カーフェリー
大洗まで車で行き、苫小牧までフェリーに乗り、そこから富良野までドライブするという方法もありますが、総移動時間は約21時間です 。
発地 | 交通手段 | 所要時間 | 費用概算 | 備考 |
---|---|---|---|---|
札幌 | JR(フラノラベンダーエクスプレス) | 約2時間 | 約4,000円~5,000円 | 夏季限定、ジャパンレールパス利用可 |
札幌 | JR(滝川経由) | 約2時間 | 約4,000円~5,000円 | ジャパンレールパス利用可 |
札幌 | バス | 約2時間半 | 約2,700円(片道) | |
札幌 | 車 | 約2時間 | 高速道路料金別途 | |
札幌 | タクシー/プライベート送迎 | 約2時間 | 約30,000円~40,000円 | |
東京 | 飛行機+乗り換え | 約5時間~8時間半 | 約11,000円~56,000円 | 旭川空港または新千歳空港経由 |
東京 | 電車 | 約10時間~12時間半 | 約31,000円~32,000円 | 新幹線と在来線乗り換え、ジャパンレールパス利用可 |
東京 | カーフェリー+車 | 約21時間 | 約13,000円~29,000円 |
時期が重要:富良野ラベンダーの見頃

富良野でラベンダーが最も美しく咲き誇るのは、一般的に7月中旬から8月上旬にかけてです 。しかし、ラベンダーの種類によって開花時期が若干異なります 。

ヨウテイ: 早咲きで、7月上旬から中旬にかけて赤みを帯びた花を咲かせます 。

オカムラサキ: 最も一般的な品種で、7月中旬から下旬、または8月上旬にかけて、淡い紫色の花と強い香りが楽しめます 。

ハナモイワ: 7月下旬から8月上旬に、白から薄紫色のつぼみをつけ、よりフレッシュな香りが特徴で、精油によく利用されます 。

濃紫早咲3号: 6月下旬から7月中旬に開花し、濃い紫色の花が観賞用として人気です 。
また、標高や天候などの条件によっても開花時期は左右されることがあります 。天候によりピークシーズンが多少前後することや 、標高の高い場所では開花が遅れる可能性があることが示唆されています 。このように、様々な種類のラベンダーが時期をずらして咲くため、6月下旬から8月中旬にかけて富良野ではラベンダー畑を楽しむことができるでしょう。ただし、一面の紫色に染まる絶景を求めるのであれば、やはり7月中旬頃が最もおすすめです。
ラベンダー品種 | ピーク開花時期 | 特徴 |
---|---|---|
ヨウテイ | 7月上旬~中旬 | 赤みを帯びた花 |
オカムラサキ | 7月中旬~8月上旬 | 淡い紫色、強い香り |
ハナモイワ | 7月下旬~8月上旬 | 白~薄紫色のつぼみ、フレッシュな香り、精油によく利用される |
濃紫早咲3号 | 6月下旬~7月中旬 | 濃い紫色 |
富良野の秘密のラベンダー聖域を巡る:穴場スポット5選
(a) ラベンダーイースト

所在地とアクセス
上富良野町に位置し、ファーム富田から東へ約4km(車で7分)の場所にあります。富良野の田園地帯の中心にあります 。公共交通機関でのアクセスは限られており、車またはタクシーでの訪問が推奨されます 。ファーム富田から徒歩約1時間の距離にあるという情報もあります 。
ユニークな特徴とハイライト

日本最大級の広さを誇るラベンダー畑で、面積は14ヘクタールです。主に香料作物の生産のためにラベンダーを栽培しています。
有料(約500円)で15分間の「ラベンダーバス」(トラクターが牽引するカート)ツアーが楽しめます。東には十勝岳連峰、南には夕張山地の山々を望むことができます。展望デッキや、自然の湧き水がある「香りの丘」(かぜかおるおか)があります。

ラベンダーイースト限定の「ラベンダーホワイトチョコレートソフトクリーム」が販売されています。開園期間はラベンダーの季節、通常7月のみです。
開園期間は7月限定なので、事前に開園日を確認しましょう。広大な畑全体を見渡せるラベンダーバスの利用がおすすめです。広がる紫色の絨毯と山々の景色をカメラに収めましょう 。限定のソフトクリームもぜひお試しください。
(b) フラワーランドかみふらの

所在地とアクセス
上富良野町に位置します。JR上富良野駅から車で約10分です 。富良野と旭川を結ぶ国道沿いの丘にあります 。道央自動車道三笠ICから国道452号線経由で約90分です 。富良野駅からバスで約20分という情報もあります 。
ユニークな特徴とハイライト
富良野地域最大級の観光農園の一つで、広さは247エーカーまたは15万平方メートルです。ラベンダー(6月下旬~7月下旬開花 )の他に、5月から9月・10月にかけて、ヒマワリ、ポピー、サルビア、ユリなど、様々な季節の花が咲き誇ります。

トラクターバスに乗って花畑を巡ることができます(10~15分、大人約500円) 。富良野盆地と十勝岳連峰の壮大な景色を望むことができます。ラベンダー枕作りや押し花ハガキ作りなどの体験もできます。

富良野メロンやラベンダーソフトクリームなど、北海道のグルメも楽しめます。開園期間は3月・4月から11月までです。
ウェブサイトで開花カレンダーを確認し、見たい花が咲いている時期を選びましょう 。トラクターバスに乗って、ゆったりと園内を巡るのがおすすめです 。富良野メロンやラベンダーソフトクリームを味わってみましょう 。押し花ハガキ作りなどの体験で、旅の思い出を作りましょう 。
(c) 日の出公園ラベンダー園

所在地とアクセス
上富良野町に位置します。JR上富良野駅から徒歩約15分です。十勝岳連峰を一望できます。
ユニークな特徴とハイライト

約4.2ヘクタールの丘陵地一面にラベンダーが広がります。丘の上には「愛の鐘」があり、カップルに人気のスポットです。十勝岳連峰を一望できる360度のパノラマビューが楽しめます。

毎年7月には「ラベンダーフェスタかみふらの」が開催され、夜にはライトアップされ幻想的な雰囲気に包まれます。展望台があります。近くにはキャンプ場やアスレチック施設もあります。日本で最初に観光目的でラベンダーを植えた公園の一つです 。
西向きの斜面なので、夕焼け時に訪れると美しい写真が撮れる可能性があります。7月に訪れるなら、ラベンダーフェスタの期間をチェックして、ライトアップされたラベンダー畑を見てみましょう。愛の鐘を鳴らして、二人の愛を誓いましょう。キャンプなど他のアクティビティと組み合わせて訪れるのも良いでしょう。
(d) 北星山ラベンダー園

所在地とアクセス
中富良野町に位置し、JR中富良野駅から徒歩約10分です。ファーム富田のすぐ近く(車で約2分、徒歩圏内)です。国道237号線からも見えます 。
ユニークな特徴とハイライト

冬はスキー場となるゲレンデが、夏にはラベンダー畑に変身します。夏季には観光リフトが運行され、ラベンダー畑や周囲の十勝岳連峰、富良野盆地を一望できます。

4種類のラベンダーの他に、マリーゴールドやサルビアなども植えられています。山頂付近には「なかふらの」の文字が花で描かれています。

山頂展望台付近には、珍しい白いラベンダー「美郷雪華」があります。通常、7月中旬から8月上旬に見頃を迎えます 。
ぜひ観光リフトに乗って、空中散歩を楽しみましょう。山頂付近の白いラベンダーを探してみてください。山頂からは十勝岳連峰の雄大な景色が広がります。体力に自信のある方は、ゲレンデを歩いて登ってみるのも良いでしょう。
(e) かんのファーム

所在地とアクセス
富良野と美瑛を結ぶ国道237号線沿いの美馬牛峠に位置します。JR美馬牛駅から徒歩約15分です。JR富良野駅からは車で約30分、旭川空港からも車で約30分です 。
ユニークな特徴とハイライト

丘一面にラベンダー(市内より約1週間遅れて開花、7月下旬が見頃)、ドイツアヤメ、サルビアなど、色とりどりの花畑が広がります。ハート型に植えられた赤いサルビアが印象的です。入場無料です。
丘の上からの眺めと、下の休憩所からの眺めはそれぞれ異なる趣があります。開園期間は6月中旬から10月中旬です。
富良野と美瑛の間のドライブの途中に立ち寄るのがおすすめです 。ハート型のサルビアを見つけてみましょう。ぜひ牧場直送のソフトクリームを味わってください。丘の上と下の両方の景色を楽しんでみましょう。
富良野の穴場を満喫するための秘訣
人気の時間帯を避けるための戦略
- 観光客が比較的少ない6月下旬や8月下旬のシーズンに訪れることを検討しましょう 。
- ピークとなる日中の時間帯を避け、早朝または夕方(日没前)に訪れると、比較的ゆっくりと見学できます。特にファーム富田は午前中の訪問が推奨されています 。
- 週末よりも平日に訪れる方が、混雑を避けられる可能性があります 。
- ファーム富田ほど混雑しない可能性のある、ラベンダーイースト、日の出公園、北星山ラベンダー園、かんのファームなどの穴場スポットを積極的に訪れてみましょう。これらの場所は比較的静かにラベンダーを楽しめるかもしれません。
- レンタカーを利用すると、公共交通機関ではアクセスしにくい、より静かな場所へも足を伸ばすことができます 。
ラベンダー畑を訪れる際に持参すべきものと準備
- 畑の中を歩き回ることが多いので、歩きやすい靴を用意しましょう 。
- 夏の強い日差しに備えて、日焼け止め、帽子、サングラスを持参しましょう 。
- 特に暑い日は、水分補給のための飲み物を持参しましょう 。
- 美しい景色を記録するためのカメラは 必需品です 。
- 虫除けスプレーがあると便利かもしれません。
- 小さな売店などでは現金しか使えない場合があるので、現金も用意しておくと安心です。
周辺の施設や観光スポット情報
- ファーム富田: 穴場を探している場合でも、その歴史と多様なラベンダー畑、ラベンダー製品は必見です。
- 美瑛: 丘陵地帯と花畑の美しい景色で知られています 。
- ふらのワイン工場: ワインの試飲と美しい景色が楽しめます 。
- ふらのチーズ工房: 地元の乳製品を味わえます 。
- ニングルテラス: 森の中にある可愛らしいクラフトショップが集まった場所です。
- 麓郷展望台(ふらのジャム園): 景色とジャムの販売があります。
- かなやま湖: カヌーなどのアクティビティや景観を楽しめます 。
- 温泉: 十勝岳温泉 。
- 地元のお祭り: 7月には北海へそ祭り 。
まとめ:富良野の隠れたラベンダーの宝物を発見する魅惑的な体験を振り返って
富良野で人混みを避けてラベンダーの美しさを堪能できる穴場スポットは、まさに秘密の花畑で絶景を独り占めするような、忘れられない体験を提供してくれます。
本記事でご紹介した五つの場所は、それぞれ異なる魅力と静けさを持っています。ラベンダーイーストの広大な紫の絨毯、フラワーランドかみふらのの多様な花々、日の出公園の愛の鐘と夕焼け、北星山ラベンダー園のリフトからの眺め、そしてかんのファームのハート型のサルビア。どの場所も、富良野のラベンダーの魅力をより深く、より個人的に感じさせてくれるはずです。
これらの穴場を巡る旅は、単に美しい景色を見るだけでなく、喧騒から離れて自然と向き合い、心静かに過ごす貴重な時間となるでしょう。
事前に開花時期やアクセス方法を確認し、持ち物を準備すれば、きっと忘れられないラベンダーの思い出を作ることができるはずです。さあ、あなたも富良野の秘密の花畑を探しに出かけ、紫色の絶景を独り占めする贅沢な体験をしてみませんか。
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